禁煙ニュース

2006年7月 タバコ一斉値上げ、ほか5件

タバコ増税で1箱20〜30円の値上げ

2003年以来3年ぶりとなるタバコ増税に伴い1日、日本たばこ産業(JT)、フィリップモリスジャパン、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンは、ほとんどの銘柄で値上げを行った。


今回の増税分は1本当たり1円で1箱では20円相当となるが、3社とも成人識別機能付き自動販売機導入や喫煙場所確保などを理由に、売れ筋の主力銘柄で増税額を上回る30円の値上げを行う。値上げ申請では、フィリップ・モリスが財務省から「上げ幅が自販機の投資負担増を上回る」と指摘を受け、上げ幅を修正して再申請し認可される一幕もあった。
たばこ税増税に伴う製造たばこの小売定価改定の認可について - 日本たばこ産業
たばこ製品の小売定価改定の認可について - フィリップ・モリス・ジャパン
たばこ税増税に伴う製造たばこの小売定価改定の許可について - ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン


値上げによる駆け込み需要では、JTではタバコの出荷量を前年比約5割増やして対応。販売するコンビニ大手などではカートン単位でのまとめ買いの予約を受け付けていて、客の中には賞味期限目いっぱいまでの分を、まとめ買いする人もいたようだ。


製薬会社ファイザーが6月、7大都市の喫煙者計700人にインターネットで実施したアンケートによると、今回の値上げを機に挑戦しようと思うと答えた人は34.7%で、3年前の値上げで禁煙に挑戦した11.9%を上回った。禁煙の理由については「健康のため」が45.7%で最も多く、次いで「お金のため」が37.0%だった。
タバコ税増税によるタバコの値上げに関する喫煙者の意識調査 7都市調べ - ファイザー株式会社


4月から始まった禁煙治療の保険適用を受け、ニコチン依存症の治療を行う医療機関では、アンケートの数字を反映するかように、禁煙を希望する患者が急増した。しかし、保険が適用される医療機関はこの時点で全国にわずか約1300施設。厚労省が示した厳格なニコチン依存症管理料に関する施設基準の前に、半数以上が不適格となっている。このため、禁煙希望者が集中した保険治療を行う医療機関では、病院側でも専門医を増やすなどの対応に追われたようだ。


値上げと前後して暗い事件も――。
全国の小売店などでは閉店後を狙ったタバコの大量盗難が相次いだ。


愛知県大府市内の雑貨店で6月30日、保管してあったマイルドセブンなど売れ筋の商品ばかり65種類、約3300箱(約90万円相当)とレジの中にあった現金1万2000円が盗まれ、男性経営者が東海署に通報。値上げ直後の2日、


愛知県豊田市のタバコ店で店の裏口のドアがこじ開けられ、仕入れたばかりのタバコ200カートンのうち、自動販売機に入れたり販売したりした分を除く180カートン54万円相当が盗難にあった。


埼玉県越谷市では6日、店内の陳列棚と段ボールに入れてあった在庫のタバコ約500カートンが盗まれた。被害額は100万円を超えるとみられている。


拡大する路上喫煙規制、大分、志木、名古屋、船橋

7月に入り、全国で路上喫煙の規制が拡大している。大分市、埼玉県志木市で、歩きタバコを禁止する条例を施行。昨年3月に市内4地区で「路上禁煙地区」を指定した名古屋市では、過料を徴収する制度が始まり、船橋市では西船橋駅周辺を新たに路上喫煙禁止の重点区域として指定した。

大分市「ポイ捨て防止条例」

大分市の「ポイ捨て防止条例」は、市内全域でごみのポイ捨てや飼い犬のふんの放置などを禁止している。
大分駅北口周辺の府内町、中央町など「強化区域」に指定された地域では、歩きタバコも禁止される。同区域内は指導員が巡回を行い、違反者には口頭で注意し、悪質なケースには来年1月1日から2000円の過料徴収を行う。
平成18年7月1日「大分市ポイ捨て等の防止に関する条例」がスタートしました

埼玉県志木市「路上喫煙防止条例」

志木市では、朝霞、新座、和光の近隣3市と連動して路上喫煙禁止条例を、今年の3月市議会で可決した。他市は10月1日からだが、志木市は先行して7月から条例を施行した。
「路上喫煙禁止地区」には、人通りの多い志木駅東口周辺と柳瀬川駅周辺を指定。違反には1万円以下の過料だが、実施は朝霞、新座、和光と足並みをそろえて、10月からとしている。
路上喫煙防止条例が7月1日にスタートしました

名古屋市、路上喫煙違反者に過料

名古屋市内の「路上禁煙地区」は名古屋駅・栄・金山・藤が丘の4か所。違反者に対し、市外居住者や外国人からも例外なく過料2000円を徴収している。
名古屋市:安心・安全・快適条例「路上禁煙地区」の指定(暮らしの情報)

西船橋駅周辺が「路上喫煙及びポイ捨て防止重点区域」指定

船橋市は10日から、路上喫煙・ポイ捨て禁止条例の「重点区域」に、新たにJR西船橋駅周辺を指定する。 重点区域は同駅北・南口前周辺から、北口側は京成西船駅付近までの一帯。周辺では路上喫煙禁止などを呼び掛ける路面シートの設置作業が行われ、10日から巡視員による啓発活動やパトロールを行う。重点区域には過料の罰則が規定されており、市では8月1日から違反者に対し2000円の徴収を開始する。
船橋市役所環境部クリーン推進課■船橋市路上喫煙及びポイ捨て防止条例-西船橋重点地区

青森県弘前市「路上喫煙禁止条例制定を求める請願」不採択

路上喫煙禁止の場所が増える一方、青森県では、30日に行なわれた弘前市議会6月定例会で、「路上喫煙禁止条例制定を求める請願」が不採択となった。


屋外の飲食店も全面禁煙−シンガポール

以前からレストランや職場など空調設備のある建物内での喫煙が禁止されていたシンガポールで、1日から屋外の飲食店、コーヒーショップ、食堂、カフェなどでも喫煙が禁止された。


シンガポールでは、1970年に施行された禁煙法で、映画館、劇場、バスでの喫煙が禁止となった。その後89年に、エアコンがある飲食店にも禁煙場所を拡大。昨年10月1日から、新たにバス停やバスターミナル、コミュニティークラブ、屋外競技場、公共スイミング場、公衆トイレなどが禁煙となり、施設管理者は喫煙者に対し、喫煙を直ちにやめるか立ち去るよう勧告する権限が与えられた。


1日に禁煙となったのは屋外の飲食店など。ただし、全面禁煙ということではなく、事前に環境局に喫煙席の設置申請をすることで、総座席数の20%以下に喫煙席を設けることができる。


シンガポールでは07年7月1日から、バーやラウンジ、ディスコなどのエンターテイメント施設も禁煙となる予定。なお、禁煙場所での喫煙は、初犯で200シンガポールドル(約1万5000円)、再犯では1000シンガポールドルの罰金が科せられる。


山口県「たばこ対策ガイドライン」

山口県はたばこによる健康被害を防ぐため、対策例や目標の数値化を含む具体的な「分煙」「未成年の喫煙を防ぐ防煙」「禁煙の支援」を柱としたたばこ対策ガイドラインをまとめた。


2002年に始まった公共施設の分煙レベル認証制度、学校での禁煙教育、教職員の敷地内禁煙で、禁煙・分煙対策を一層進めるほか、禁煙支援では、禁煙外来のある医療機関の増設、禁煙指導に携わる組織のネットワークづくりなどに取り組んでいく。


ガイドラインでは、半数以上の項目について達成度の数値目標を設定し、県民を対象とした意識調査で、「日常生活で受動喫煙による影響がない」との回答率が現行の39.6%を50%以上に引き上げる。また、喫煙による健康被害や分煙対策に関する知識の普及▽市町による禁煙・分煙・防煙に関する学習会▽学校での喫煙防止教育▽企業や公共施設での禁煙・分煙対策の4項目は実施率を100%と定めている。
山口県/山口県たばこ対策ガイドラインの策定について


今世紀10億人死亡! 各国政府は喫煙対策を

ワシントンで開催されていた国際対がん連合の会議で10日、喫煙を抑制するための有効な対策が導入されない限り、21世紀のたばこによる死者数は世界で約10億人に上り、20世紀の10倍に膨らむ恐れがあるなどとした推計が発表された。


死者数の増加原因として、世界的に喫煙率は下がっても、中国など発展途上国の人口増加によって喫煙者数は横ばいか緩やかに増加することを指摘。会議では、成人のたばこ消費を半減することで、今後50年間に約3億人の「不必要な死亡」を防げるとして、各国政府に早急な取り組みを求めている。


世界の喫煙人口は現在、男性約10億人、女性約2億5000万人の計約12億5000万人。平均喫煙率は男性の場合、先進国が35%、途上国は50%で途上国が多いが、女性は先進国が22%と途上国の9%を上回っている。世界の喫煙人口は途上国でさらに増え、女性の喫煙増加も予想されるという。


現在の傾向が今後も変わらないとして、2005年に年約500万人だった喫煙による死者は20年に年1000万人に倍増、さらに1600万人の新たながん患者を生み出し、その後も増加していく。これら死者の約70%は発展途上国に集中する。


禁煙訴え日本縦断の旅は、9日宗谷岬でゴール!

お遍路姿に「禁煙は愛」ののぼり旗を掲げ、徒歩で日本を縦断していた愛媛県西条市のオーストラリア人英会話講師マーク・ギブンスさん(43)が9日、ゴールの北海道稚内市の宗谷岬に到着した。


ギブンスさんは4月13日、喫煙の危険性を多くの人に知ってもらおうと、鹿児島県の佐多岬を出発し、88日間をかけて日本各地でたばこ問題のイベントなどに参加しながら、約3000キロを歩き、このほどゴールである北海道北端の宗谷岬に達した。


東京などから駆けつけた友人らに迎えられた元看護師のギブンスさんは「(道中)信じられないほど、多くの人に支援してもらった」と感謝。少し疲れた様子で「ゴールしても、たばこが原因で、(日本では)多くの人が亡くなることは変わらない」などと話した。
禁煙は愛〜ASH君の旅〜


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2006年6月 日本禁煙学会が発足、ほか7件

日本禁煙学会、NPOとして認可

医師らによってタバコ問題の取り組みを推進する(理事長・作田学杏林大学教授)が、民間非営利団体(NPO)として認可さた。
日本禁煙学会


日本禁煙推進医師歯科医師連盟(禁煙医師連盟)として、これまで受動喫煙と未成年者喫煙の防止に尽力してきた作田教授らは、昨年2月に世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」が発効し、今春から禁煙指導が公的医療保険の対象となったことを受けて「いよいよ正面から取り組む時代になった」と語っている。


活動は医療・保健に関わる医師や団体だけでなく、教育、行政や一般職場など、禁煙推進や禁煙環境整備に携わるすべての人々を巻き込んで、タバコの害のない社会作り目指す。


高松市が美化条例を改正、市内3箇所で路上喫煙禁止

高松市は今年3月、市議会で禁止区域を指定できる「市環境美化条例」の一部改正案が可決。6月1日から市内3箇所を歩きタバコ禁止区域に指定した「高松市環境美化条例」を施行する。


歩きタバコを禁止するのは、サンポート高松から栗林公園東門までの中央通りと、アーケードがある8商店街、サンポート一帯など。指定区域では、備え付けの灰皿がある場所以外で喫煙禁止となるが、違反者に対する罰則はない。


97年に施行された現在の条例は、公共の場所でタバコの吸い殻を捨てると2万円以下の過料と規定されているが、実際に適用されたケースはない。今回の改正では、商店街などから慎重論が出たほか、パトロールなどにかかるコストを考慮した結果、罰則条項は盛り込まれず市民のモラルに訴える。
高松市環境美化条例


北朝鮮で「タバコ統制法」制定

朝鮮中央通信によると、北朝鮮で喫煙率を抑制するためこのほど「タバコ統制法」が制定されたこと分かった。同法には、喫煙者に対して大学入学資格を剥奪する社会的制裁措置も盛り込まれているという。


北朝鮮関係者によると、同国では公民証が発給される18歳以上が成人とみられており、喫煙者はこの頃からタバコを吸い始める。大学入学は16歳から可能とされていることから、入学資格はく奪の罰則は、若年層の喫煙防止を目的にしているとみられる。


北朝鮮では、ヘビースモーカーといわれていた金正日総書記による、タバコの害を指摘した発言が99年に国営メディアで紹介されて以降、禁煙運動が盛んになった。禁煙を持続させる薬や禁煙パイプも開発され、喫煙者への啓発活動をテレビ、ラジオなどを通じ強化している。


同通信によると、北朝鮮の喫煙率は2000年に比べ現在は約15ポイント減少。2010年までに30%にまで減らすことを目標としている。


W杯ドイツ大会の禁煙対策にFIFAへ批判

ドイツ大会での禁煙対策で、サッカーのワールドカップを主催するFIFA(国際サッカー連盟)が、批判を浴びている。


02年の日韓大会ではスタジアム内全面禁煙、ドイツの次の南アフリカ大会でも全面禁煙が決まっているが、今大会はスタジアムで流される禁煙キャンペーンのスポットが「No Smoking,please(できるだけ禁煙で)」という内容で、喫煙を容認していることが問題となっている。


FIFAがドイツ大会を全面禁煙にできなかったのは、「ドイツサッカー界の愛煙家らがロビー活動を行ったからだ」という噂も飛び交っていて、今回の措置は多方面から批判の的になっている。また、禁煙キャンペーンの一方で、ドイツ大会のロゴ入りライターが売り出されるなど、商業主義に傾くFIFAの姿勢に、禁煙運動家から怒りの声が上がっている。


「路上は全面禁煙に」発がん物質7メートル先まで

日本禁煙学会(理事長・作田学杏林大教授)は31日、屋外での受動喫煙を防ぐため、路上や公共施設の敷地内を全面禁煙にすべきだとの提言をまとめ、自治体などに送付した。


内容は、自治体の条例などで歩きタバコの禁止が広がる一方、喫煙所として野外に灰皿を設置する動きに対し、「煙やにおいは7メートル届く。直径14メートル以上の空間を確保できなければ灰皿を置くべきではない」としている。


送付先は、銀座歩行者天国を抱える東京都中央区長や佐賀県知事、静岡市長など「受動喫煙の問題がある所」をピックアップした。


提言で同学会は、屋外の受動喫煙に関する米国の専門家の論文を引用。タバコのにおいや発がん物質は無風の条件下、1人の喫煙者の周囲7メートルまで到達し、4メートル以内では目の痛みやせきなど急性の健康被害が起きるレベルに達すると指摘している。
屋外における受動喫煙防止に関する日本禁煙学会の見解と提言


禁煙タクシー、5年で6倍に増加

乗客も運転手も車内禁煙の「禁煙タクシー」。全国乗用自動車連合会の調査によると、全国で1台でも禁煙タクシーを導入したタクシー事業者は、5年間で約8.8倍に増え、台数も約6倍になったことが分かった。


2005年度末(06年4月1日を含む)の禁煙タクシーは、44都道府県で前年度比約1.7倍の計5867台。都道府県別台数では、4月1日に大分市で市タクシー協会などが中心となって一斉に全面禁煙を始めた大分県がトップで1527台。以下、京都府の757台、東京都638台と続く。北海道・旭川や高知、熊本など、地域や協会単位で取り組む例も増えている。


事業者も539社と、前年度の約1.8倍に増加。また乗務員の喫煙を禁止している車両は、1107社で計3万4272台に上り、全車両の16.4%を占めた。しかし、台数は全タクシーの2.8%にとどまっており、タクシーの禁煙化に手探りの事業者が多いことをうかがわせる。


禁煙治療薬「バレニクリン」今秋にも国内申請

ファイザーは29日、先月米FDAに認可された経口禁煙治療薬「バレニクリン(チャンティックス)」を国内で承認申請した。


バレニクリンは、ニコチンを含有しないことが特徴。ニコチン代替成分がアセチルコリン受容体と結合し、喫煙の欲求とニコチンからの離脱症状を緩和。喫煙によって得られる満足感を抑えることで禁煙を容易にする。


臨床試験では、バレニクリンを服用した被験者の禁煙率は、プラセボのほぼ4倍、ZybanR(一般名ブプロピオン、150mg1日2回、国内未承認)のほぼ2倍という結果を得ている。


主な副作用は吐き気、夢の変調、便秘、腹部膨満感、嘔吐などが確認されているが、同社ではバレニクリンの忍容性は良好であり、全体的な中止率はプラセボと同等であるとしている。
ファイザー社の禁煙治療薬「バレニクリン」の有効性と安全性を証明


※忍容性 薬の副作用が被験者にとってどれだけ耐えうるかの程度。被験者が十分耐えられる程度であれば「忍容性が高い(良い)薬物」、耐えられない程のひどい有害作用が発生する場合は「忍容性が低い薬物」となる。

JR東日本、新幹線と特急を07年春から全面禁煙に

JR東日本は6日、2007年春から東北、上越新幹線及びJR東日本管内を相互発着する在来線特急列車の車内を、原則として全面禁煙にすると発表した。


新幹線では、乗車時間が比較的短い長野新幹線と九州新幹線が既に全面禁煙を実施。在来線でも、JR北海道の全線とJR東日本の成田エクスプレスなど、一部特急が禁煙になっている。


禁煙化が見送られた、他社と直通運転する中央線「しなの」、東海道線「踊り子」など12の特急でも、全面禁煙にする方向で各社と調整していくとのこと。一方、個室主体の「カシオペア」「北斗星」など寝台列車には、喫煙できる車両が残る。


記者会見で清野智社長は「喫煙車から流れる煙で苦情があり、列車内は完全な分煙にはならない。喫煙者も大切なお客さまだが、3、4時間の車内は禁煙でご理解いただきたい」と話した。


同社は禁煙化に伴い、八戸、秋田、山形、長岡など新幹線、在来線の14駅計19カ所のホームに喫煙ルームを新たに設置。既に設置済みの東京、長野などと合わせ、禁煙ルームは計21駅32カ所になる。
JR東日本:プレスリリース 列車内の全面禁煙化について[PDF/165KB]

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2006年5月 神奈中ハイヤー訴訟、ほか16件

「神奈中ハイヤー訴訟」原告敗訴

会社が禁煙タクシー導入を拒否したため、客の吸うタバコによって健康被害を受けたとして、横浜市戸塚区の運転手大畠英樹さんが勤務先の神奈中ハイヤーを相手に、同社が保有するタクシーの全面禁煙化と損害賠償を求めていた裁判で、横浜地裁小田原支部(尾崎智子裁判官)は9日、原告の請求を棄却した。


棄却の理由として「原告人から会社に対し、体調不良の報告や診断書の提示がなかった」ことで「タバコの被害を受けていることを知らなかった」とする被告側の主張を認めた。


その上で「喫煙者、非喫煙者が互いの立場を理解することが必要」とも述べ、全車禁煙化実現までは喫煙車、禁煙車に分けて乗客の喫煙を一定限度で認め、会社側は乗務員の定期健康診断などで被害が生じないよう配慮する義務があるとした。
神奈中ハイヤー訴訟(たばこ問題情報センターたばこ問題関連訴訟情報)
判決要旨|受動喫煙の完全防止を目指すブログ


米ファイザーの禁煙新薬「チャンティックス」認可

米製薬最大手ファイザーは11日、同社が開発し、米食品医薬品局(FDA)に申請中の新禁煙薬「チャンティックス」が、認可されたと発表した。
FDA Approves Novel Medication for Smoking Cessation


チャンティックスには、ニコチンの代替成分が含まれており、これが人間の脳内で特定の受容体に直接作用し、ニコチン切れの症状を和らげる。タバコを吸ってもニコチンの作用をブロックする働きもあるため、喫煙による満足感が薄れ、ニコチンに依存する悪循環を断ち切る効果があるという。


比較実験の結果によると、1997年に承認された英大手グラクソスミスクラインの禁煙薬「ザイバン」よりも高い禁煙率が確認された。喫煙者が12週間服用した実験では、1年後に5人に1人が禁煙に成功しているという。


04年栄養調査、男性喫煙率3%減も女性では増加傾向

厚生労働省が8日発表した2004年国民健康・栄養調査で、男性の喫煙率は前回調査の46.8%から43.3%と3.5ポイントの減少がみられたものの、女性では11.3%から12.0%と増加傾向にあることが分かった。


年齢別に見ると、男性の喫煙率は30歳代で56.8%から57.3%と0.5ポイント上昇しているが、その他の世代では減少。とくに20歳代、40歳代、50歳代では5%前後減少している。女性では、30歳代でほぼ横ばい、50歳代以上で喫煙率の増加がみられた。


また、今回の国民健康・栄養調査では、内臓肥満、高血圧、高血糖、高脂血症から、心筋梗塞や脳卒中などの危険性を高める「メタボリック症候群」の実態調査が行われた。


それによると、40〜74歳におけるメタボリック症候群の有病者数は約940万人、予備群者数は約1020万人、併せて約1960万人。この世代の男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリック症候群が強く疑われる、又は予備群と考えられる者であるとしている。
厚生労働省:平成16年国民健康・栄養調査結果の概要


グアムとチリで禁煙法

グアムでは8日から、禁煙改正法(グアム法28-80:通称ナターシャ保護法)が施行され、レストランや宴会場などの公共の場は全て禁煙となった。


禁煙となる公共の場所とは、レストラン、会議場、宴会場、エレベーター、バス、タクシー、航空機、その他の公共交通機関、発券所、搭乗口、待合場所、トイレ、サービスライン、一般人が立ち入りするビジネス区域、水族館、博物館、図書館、ギャラリー、コンサート会場、映画館、ステージ、スポーツ施設、待合室、廊下、倉庫、保健医療施設、投票所など。


ホテルでは、基本的に客室(禁煙ルーム除く)・バー及びホテルの指定する喫煙可能な場所以外は禁煙。レストランは全面禁煙だが、風通しの良いオープンエアーのテラス席などは喫煙可能としているレストランもある。喫煙が許可される場所は、バー、個人の住居、ホテル・モーテルの客室など。託児施設または医療施設として使用されている場合はこれに含まれない。


しかし、ホテルやレストランによっては、上記の場所以外でも禁煙としているところもあるので、不明な場所については、喫煙が認められているか否かを、当該組織の業務管理者またはスタッフに助言を求め、喫煙が可能だと確認が取れた公共の場以外では喫煙不可となる。


チリでは2日、バチェレ大統領が公共の場での禁煙などを定めた「タバコ法」に署名した。南米で本格的な禁煙法が成立するのは、ウルグアイに次いで2番目となる。


このタバコ法で、10人以上のオフィス、学校、公共施設、病院、大学、映画館、スーパーマーケットでは、決められた喫煙場所以外で喫煙ができなくなる。また、バーやレストランでは分煙設備が必要となり、喫煙・禁煙の明示が求められる。


さらに、同国の喫煙者は平均12歳でタバコを吸い始めることから、小学校でタバコの害を教える授業実施を義務付け、学校の半径100メートル以内でのタバコ販売や広告掲示、18歳未満へのタバコの販売が禁止された。


厚労相謝罪、禁煙パッチが保険適用に

禁煙治療は4月から公的医療保険の対象となっているが、禁煙補助薬「ニコチンパッチ」は保険適用外となっていた。医療現場では禁煙指導を保険で、ニコチンパッチを保険外でと分けて対応していた。


ところが4月28日になって、厚労省から「使えば禁煙指導全体が(全額自己負担の)自由診療となる」と通知があり、医療機関では患者への説明に苦慮することになった。保険が利かなくなった分の医療費の差額請求を諦める病院もあったようだ。


これは保険による禁煙指導でニコチンパッチを処方した治療が、法で禁じられている「混合診療」にあたり、治療にかかる費用は全て保険の対象外となってしまうというもの。


保険診療の範囲は禁煙指導のみということになれば、禁煙初期の離脱症状を軽減することができなくなり、治療の成功率にも影響してくる。また、全て患者負担とするなら、保険診療の制度自体が有名無実の存在となってしまう。


この問題で川崎厚労相は12日、衆院厚生労働委員会でニコチンパッチも今月中に保険の適用対象にする方針を示し、すでに禁煙治療を始めている医療現場の混乱について「周知が不足したことは誠に申し訳ない」と謝罪した。


新幹線の受動喫煙、粉じん濃度は基準の3〜11倍

東京大医学系研究科の中田ゆり客員研究員、産業医大の大和浩教授らの調査によると、東海道・山陽新幹線の車掌や車内販売員が喫煙車で受ける粉じん濃度は、厚生労働省の定めた喫煙室の基準値の3〜11倍で、勤務時間の8割以上が煙の多い環境にさらされていることがわかった。


調査は昨年10月から今年4月、10列車で車掌や販売員に同行し、デジタル粉じん計で常時測定を行った。


その結果、東京−新大阪間ののぞみ16両編成では、喫煙車4両で1立方メートルあたり最高1.64ミリグラムの粉じん濃度を記録。これは厚労省の「喫煙室内の空気環境に関する基準」(同0.15ミリグラム)の約11倍にあたる。
新大阪−博多間のひかりレールスター(8両)でも、喫煙車2両で基準の10倍近い1.64ミリグラムを記録した。禁煙車では0.01〜0.02ミリグラム程度だった。


中田研究員は「一般の職場に比べ、はるかに高濃度で、従業員にとって危険。乗客にも影響があり、公共交通機関は全面禁煙にすべきだ」と測定結果を評価している。
中田ゆりの研究日誌: 新幹線の車掌らの受動喫煙濃度、基準の3−11倍


国会を全面禁煙に、禁煙推進議連が申し入れ

超党派の国会議員グループ「禁煙推進議員連盟」(綿貫民輔会長、77人)は22日、国会関連施設を4月から原則として全面禁煙化するよう求めていくことを決め、衆参両院議長や議院運営委員長らに申し入れる。


現在、本会議は衆参両院とも禁煙。委員会は衆院が96年6月の議運で全面禁煙を決めたが、参院では一部の委員会で喫煙が許されている。また、議員会館などの関連施設は喫煙コーナーを設けているが、廊下に分煙機を置いただけで煙が漏れる場所もあり、苦情が寄せられているという。


議連は、
▽国会関連施設の原則、全面禁煙
▽特に参院の全委員会の禁煙化
▽やむを得ず分煙機を設置する場合も必ず屋外に排気すること――などを求めている。


東京都内の銭湯、6月から一斉に全面禁煙

都公衆浴場業生活衛生同業組合は10日、現在都が入浴料を決めている都内999箇所全ての銭湯で、6月1日から一斉に全面禁煙とすることを決めた。


同組合によると、現在全面禁煙や分煙の銭湯は全体の3割程度に留まっているが、健康志向の高まりから、全面禁煙を望む利用者が多い。協議会では、客離れや最近の原油高に伴う燃料の重油高騰などを理由に、6年ぶりに入浴料の値上げを了承したが、利用者に負担を強いるだけに、かねてから要望の多かった全面禁煙にも踏み切ることにした。


入浴料値上げは全面禁煙と同じ6月1日からで、大人(12歳以上)の場合、現行の400円が430円値上がりし、430円になる。今回12歳未満の料金は、据え置かれる。
東京都浴場組合からのお知らせ


「渋谷区歩行喫煙禁止条例」の制定を求める請願、不採択

高校生環境連盟路上喫煙防止班が今年3月22日、渋谷区議会に歩きタバコやポイ捨て防止を求め提出した「渋谷区における歩行喫煙禁止条例の制定を求める請願」は、3月31日に渋谷区議会本会議場で開かれた第1回渋谷区議会定例会本会議で不採択となった。


請願の内容は、人通りの多い繁華街の歩行喫煙やポイ捨てで、やけどや火災を引き起こす危険と、街の美化を損ねる点などを指摘。違反者に対して過料の罰則規定を盛り込んだ歩行喫煙禁止条例の制定を求めていた。


不採択とした理由について反対派からは、請願の思いは酌みたいとしながら、まず現行のきれいなまち渋谷をみんなでつくる条例や分煙ルールを強化、拡充すべき。過料を科すことに実効性の面から疑問がある等の意見が挙った。
高校生環境連盟路上喫煙防止班活動日誌 平成18年第1回渋谷区議会定例会 請願結果


名古屋市議会、24日から全面禁煙

名古屋市議会の議会運営委員会は23日、市議会委員会の傍聴人規則を一部改正し、「喫煙をしないこと」の文言追加を決定した。


議会運営委員会の理事会で16日、議員の委員会室の禁煙を決定、各会派も了承したため傍聴人規則を改正に至った。改正された傍聴人規則は24日から施行され、市議会の常任・特別の計12委員会は全面禁煙となる。


これまで「傍聴人の守るべき事項」を規定している市議会委員会の傍聴人規則に「飲食をしないこと」などの項目はあったが、喫煙に関する項目はなかった。そのため禁煙に関しては、委員会によって扱いが異なり、昨年度は健康福祉委員会など5常任・特別委員会で全面禁煙するに留まっていた。


WHO調査結果、世界の中学生17%が喫煙

世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)がまとめた132か国・地域を対象にした「世界青少年喫煙調査」によると、世界の中学生の2割近くが日ごろ喫煙していることが分かった。


調査は1999〜2005年までの6年にわたって実施され、無作為に抽出した9900校で、13〜15歳の約75万人に30日以内の喫煙経験を尋ねた。 その結果、葉巻やパイプも含め、あらゆる形態の喫煙を総合すると、喫煙経験者は全体の17.3%。WHOの地域区分では、南北アメリカが22.2%、欧州が19.8%と高く、日本を含む西太平洋は11.4%、東南アジアでは12.9%と低かった。


女子の喫煙率は男子より低かったが、上昇傾向にあることから、CDCは「女子に重点を置いた対策を、より多くの国で推進する必要がある」と指摘している。


厚生労働省研究班の2004年の国内調査では、月1回以上タバコを吸う喫煙率は中学3年男子で7.3%、女子は4.8%。一度でも喫煙したことのある経験率は、中3男子が23.1%、同女子が16.6%だった。
Use of Cigarettes and Other Tobacco Products Among Students Aged 13--15 Years --- Worldwide, 1999--2005


茨城県庁舎の喫煙室存続に対し、医師会が抗議文

茨城県医師会(原中勝征会長)は24日、県が県庁舎内喫煙室の存続方針を決めたことについて「県民の健康を考える立場から看過しがたい」などとする抗議文を県に提出した。


県では4月から、「非喫煙者の来庁者に受動喫煙の害を及ぼす可能性が高い」として、敷地内4カ所に設置されていた灰皿を撤去した。しかし、庁舎内に4カ所ある喫煙室については、職員のアンケートを実施した結果、「来庁者が利用するケースもある」ことを理由に存続を決定。


これに対し、医師会は抗議文の中で「タバコ使用について深刻な健康被害が県民に十分に周知されているとはいえない」ことを強く批判。「県庁が喫煙を積極的に抑制する姿勢を明らかにすることが大きな意味を持つ」などとして、あくまで庁舎内の全面禁煙化を求めて譲らぬ構えだ。


県庁舎の喫煙室をめぐっては、医師や有識者でつくる「循環器疾患の予防に関する検討会」が昨年11月、県内で心筋こうそくなどの心疾患による死亡を防止するため、喫煙率低下が必要などとする提言をまとめ、県庁舎の全面禁煙を主張していた。


県医師会によると、県内の喫煙率は男性が53.8%と全国平均を7ポイント上回っており、心筋こうそくが原因の死亡は全都道府県で最も高い数値となっている。
県庁舎は全面禁煙にすべき!−県庁喫煙室存続について抗議−


世界禁煙デー&禁煙週間

世界禁煙デーの5月31日から禁煙週間最終日の6月6日まで、全国で禁煙のアドバイスや健康チェック、タバコの害を訴える街頭活動などが行われた。


2006年ののWHOのスローガンは、
「たばこ:どんな形や装いでも命取り」
(Tobacco : Deadly in any form or disguise)


和歌山県では20日、県や厚生労働省などが主催する「第6回全国禁煙推進研究会 世界禁煙デー和歌山フォーラム」が行われた。「喫煙する権利ってあるの?」をテーマにした講演をはじめ、「たばこ枠組条約と今後のたばこ対策」と題した、国の喫煙防止対策、医療関係者らによる職場や学校における喫煙対策のパネルディスカッションなどが行われた。


27日に行われたタバコ問題首都圏協議会(MASH)主催による記念シンポジウムでは、未成年喫煙の増加と喫煙開始の低年齢化などをとりあげ、タバコから子どもたちを守るための話し合いが行われた。また、同シンポには喫煙の害を訴えながら4月に鹿児島を出発し、日本縦断禁煙ウォークを行っているマーク・ギブンスさんが特別参加している。


厚生労働省は31日、「やめたい人を手助けする禁煙支援」をテーマに掲げ、東京都千代田区の科学技術館で世界禁煙デー記念シンポジウムを開催した。同シンポジウムでは、政府のタバコ対策や禁煙治療について担当者や医師などが講演。06年4月から始まった、禁煙治療への保険適用の話題に注目が集まった。
厚生労働省:平成18年度「禁煙週間」の実施について


沖縄県、事業所の「禁煙・分煙ランク」認定制度

沖縄県は31日、受動喫煙の防止を目指し「禁煙・分煙施設認定制度」をスタートした。


対象になるのは、県内の公共施設や交通機関、飲食店などほぼすべての事業者。各保健所に申請すれば保健所職員による基準審査が行われ、敷地内と施設内の完全禁煙と分煙、タバコの自動販売機設置状況を組み合わせた基準から、9ランクの達成度を認定する。基準を満たした事業者には保健所長から認定証が交付されるほか、希望する事業者は県のホームページ上で施設名が公表される。


県内では昨年までに、中部福祉保健所と八重山福祉保健所で同様の認定制度を始めており、これまでに計63施設が認定を受けているが、31日以降は県の認定基準に統一される。
「沖縄県禁煙・分煙施設認定制度」の創設について


タクシー運転手、乗務中の「煙害」で訴訟

個人タクシー運転手安井幸一さん(72)が30日、乗務中の「煙害」で心臓病を患ったとして、財団法人東京タクシーセンターに約1000万円の損害賠償を求める訴訟を、東京地裁に起こした。


訴状によると、安井さんは1986年2月、乗客が喫煙したため換気をお願いしたことがトラブルの原因となり、苦情を受けた同センターが「いかなる場合でも禁煙を願い出ることはできない。乗客の気分を害しただけで、指導・処分対象」とし、安井さんを「接客態度違反処分」とした。受動喫煙を余儀なくされたまま乗務を続けた結果、94年には心臓病と診断された。


安井さんはこの件で04年に国を提訴したが、昨年12月の東京地裁判決は「タクシー事業者は乗務員に対し、受動喫煙の危険性から健康を守るよう配慮すべき義務を負う」と指摘し、国の責任を否定、請求は棄却された。


記者会見で安井さんは「1日30〜40本の煙を吸い続け、狭心症になった。国に責任がないなら受動喫煙を強要したセンターが悪い。31日の世界禁煙デーに合わせて提訴した」と話した。
安井氏の起訴のご報告|受動喫煙の完全防止を目指すブログ


JR四国、2011年度までに特急列車を全席禁煙

JR四国は29日、2011年度までに特急列車に喫煙ルームを設け、全席禁煙にすると発表した。


喫煙ルームを設けるのは、「南風」などに使用している2000系車両と8000系車両。現在は自由席の一部を喫煙席にしているが、11年度までに喫煙席を廃止し、車両のトイレ付近を改装して喫煙ルームにする。


特急「うずしお」「剣山」「むろと」については、使用している185系車両に喫煙ルームを設けるスペースが無いため、08年3月ごろまでに全面禁煙にする予定。


最初の全席禁煙化は6月30日、乗客から喫煙席廃止の要望が多かった土讃線の特急「南風」の「アンパンマン列車」(ピンク色)になる。
土讃線「南風]アンパンマン列車に喫煙ルーム設置


厚労省「禁煙支援マニュアル」を作成、自治体に配布

厚生労働省は30日、保健医療従事者が禁煙を望む喫煙者をサポートする際に役立てる「禁煙支援マニュアル」(CD-ROMとテキスト)を作成したと発表した。6月中旬に全国の自治体に配布し、同省のホームページでもテキストを公開する。


マニュアルの内容は、喫煙の健康への影響やニコチン依存症、禁煙サポートの理論と方法などについて最近の科学的研究を基に分かりやすく解説。ミニテストやクイズも用意されていて、タバコに関する知識の深さを確認できるようになっている。


厚労省の調査によると、習慣的な喫煙者(男性4割、女性1割)の7割が「禁煙したり、本数を減らしたい」と回答。同省健康局では「各自治体はマニュアルを活用して、禁煙・節煙希望者への支援体制を充実させてほしい」としている。
厚生労働省:禁煙支援マニュアル

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2006年4月 公的保険で禁煙治療、ほか4件

健康保険による禁煙治療がスタート!

禁煙を希望する人について4月から、公的な医療保険を使った禁煙治療を病院で受けられるようになった。


これは喫煙によるニコチン依存症を病気と位置づけ、治療費の一部に保険適用を認めたもの。 タバコを吸っている人で禁煙したい人は、それまで3〜4万円の医療費負担が1万2千円ほどで済むようになった。


しかし、治療を受けられる喫煙者と治療を行う医療機関には、保険診療を行うに当たってきびしい条件が課せられ、とりわけ大きな病院では敷地内の禁煙化にむずかしい問題を抱えているところもあり、二の足を踏む医療機関から不満の声も聞かれた。


さらに、保険診療がスタートしてからすぐに禁煙補助薬「ニコチンパッチ」を使った禁煙治療が混合診療となり、保険が利かなくなるという制度上の欠陥を露呈。 医療機関からの問い合わせで厚生労働省が、「保険診療の適用範囲は禁煙指導に限られ、ニコチンパッチは保険の適用外。ニコチンパッチを処方すると混合診療となるため保険は無効となる」との発表があり、すでに保険診療を始めていた医療機関で混乱が起こった。


この件では、5月に川崎厚労相が衆院厚生労働委員会で周知が不足を謝罪し、早期にニコチンパッチを保険の適用対象にする方針を示した。


禁煙を希望する人が増えれば、喫煙が原因とされる肺がんや心疾患を減らし、国の財政を圧迫している医療費を抑制する効果が期待できることから、この措置は禁煙を望む人や医療関係者には、おおむね好意的に評価されている。


一方で禁煙治療の保険診療に反対する意見では、「自由意志で吸っているのだから依存症とはいえ自業自得で、タバコが止められない人に保険適用などもってのほか」という声も。


またJTでは、ニコチンの依存性はごく軽度なものと評価した上で、喫煙者を病人扱いすることや、医療費の削減効果などにも疑問を投げかけ、個人の禁煙の意思は尊重するが、保険診療には反対する声明を発表した。
禁煙指導に対する健康保険適用についてのJTの考え方


4月から施行となる路上喫煙防止条例

川崎市は1日から、市内の主要駅周辺での路上喫煙を禁止する「川崎市路上喫煙の防止に関する条例」を施行した。 禁止区域では市の非常勤職員が巡回し、悪質な違反者からは2000円の過料を徴収する。


路上喫煙が禁止されるのは、JR川崎駅のほか、同武蔵小杉、同武蔵溝ノ口、東急鷺沼、小田急新百合ケ丘の5駅。 07年度からはJR登戸駅周辺も加わる。


条例施行を控えた3月末には、JR川崎駅前などで阿部孝夫市長や市職員、地元町内会関係者らによるキャンペーンが行われた。 また、JTが川崎駅前交番の前など同駅周辺に4カ所の喫煙スペースを設置し、タバコを吸う人に喫煙マナー呼びかけた。
川崎市路上喫煙の防止に関する条例


そのほかにも東京都墨田区、静岡県三島市、千葉県流山市が、1日から同様の条例を、また海外では先月26日からスコットランドで公共の屋内が禁煙になっている。
墨田区路上喫煙等禁止条例
三島市快適な空間を保全するための歩行喫煙の防止等に関する条例
流山市路上喫煙及びポイ捨て防止条例


厚生労働省、館内を全面禁煙

雨の日は傘を差してタバコを吸ってください――。


厚労省は1日から、26階建ての東京・霞が関の庁舎内を全面禁煙とした。館内全面禁煙は中央省庁では初めてとなる。


厚労省は館内禁煙化に踏み切った理由として、
▽人事院が喫煙所を庁舎外にするよう要請
▽利用者が多くて喫煙室内の環境が悪い
▽タバコの害への社会的な理解が進んでいる
――を挙げている。


また、厚労省福利厚生室によると、喫煙室には職員や来庁者が多く集まり、定員30人のところ、多いときには70人もの喫煙者で“すし詰め”になるという。喫煙室では衣類にタバコのにおいが付着し、喫煙者の利用したエレベーター内ににおいが残るほど。喫煙者だけでなく、タバコを吸わない職員や来庁者からも苦情が出ていたとのこと。


国民に禁煙を推進してきた立場の厚労省が先頭を切ったことで、今後他省庁の禁煙化にも影響しそうだ。


「禁煙は愛」の旅、佐多岬を出発

白装束に禁煙マークのすげがさ、「禁煙は愛」と書かれたのぼり旗。
お遍路姿に身をやつした西条市在住のマーク・ギブンスさん(43)が、禁煙を訴えながら日本を縦断する徒歩の旅は13日、鹿児島県佐多岬を出発した。88日間かけて約3000キロを歩き、7月9日に北海道の宗谷岬に到着する予定。


マークさんは1977年に外国人英語講師(ALT)として来日。
母国オーストラリアの低い喫煙率に比べて、日本の禁煙教育やタバコ規制のレベルの低さに衝撃を受けた。スモーカーの父が心筋梗塞で倒れたことや、元ICUの看護師だった経験もあって「喫煙がどれだけ危険かを知るきっかけになれば」と、全国行脚を思い立ったという。


国内タバコ販売、7年連続で減少

タバコ会社の業界団体・日本たばこ協会は28日、2005年度の国内タバコ販売量は、前年度比2.5%減の2852億本だったことを発表した。
地方自治体の路上喫煙防止条例などで、駅前などの人ごみや公共施設を中心に喫煙場所が減っていることなどが影響し、7年連続で減少となった。


一方、日本たばこ産業(JT)が28日発表した2006年3月期連結決算では、純利益が前の期比3.2倍の2015億円。1997年3月期以来の最高益となり、4年続けて過去最高を更新中だ。
国内で不振が続くタバコ販売は、好調な海外の売り上げによって完全に吸収された形となっている。

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2006年3月 駒大苫小牧、選抜出場辞退

部員が飲酒・喫煙で補導、駒大苫小牧高校選抜出場辞退

北海道の駒大苫小牧高校(苫小牧市)篠原勝昌校長は3日、今年3月駒大苫小牧高校の当時3年生だった野球部員らが市内の居酒屋で飲酒や喫煙をし補導された問題で、春の選抜大会出場を辞退すると発表した。


野球部の香田誉士史監督(34)と野球部長は引責辞任、篠原校長も辞意を表明。この決定で同校の甲子園夏春連覇の道は絶たれた。


同校野球部は05年8月、夏の大会期間中に発覚した部長の暴力問題で、高野連への報告が遅れたとして警告受けているが、今回の決定は高野連の処分を待たずに自ら行った。


その後、香田監督については、地元や父母らからの復帰を願う声と、高野連側でも監督の処分の必要性を認めなかったことから、5月に復帰。 甲子園では夏の大会3連覇という73年ぶりの偉業へ挑んだが、惜しくも決勝で敗れている。


また、道警苫小牧署は20日、居酒屋で未成年であることを知りながら、当時3年生の野球部員ら14人のうち12人にビールや焼酎を提供し、飲食させたとされる居酒屋を経営する美唄市の会社と、苫小牧市の男性店長(40)ら店員5人を、風営法違反の「未成年者への酒類提供」の疑いで苫小牧区検に書類送検した。

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2006年2月 有名アイドルの喫煙

元モーニング娘。の加護亜依さん、喫煙で謹慎処分

人気アイドルグループ「モーニング娘。」の元メンバー、加護亜依さん(18)が27日夜、レストランでタバコを吸っているところを10日発売の週刊誌が写真つきで報道した。


所属事務所のHello! Projectは9日、「未成年者の喫煙は法に触れることで全く自覚のない行動だ。管理・指導に不足があったと猛省しており、これを重く受け止め、謝罪いたします」として、週刊誌の報道をほぼ事実と認め、加護さんの謹慎処分を発表した。


この事件は、加護亜衣さんが未成年だったにもかかわらず、多くの報道機関が実名報道に及んだことでも波紋を呼んだ。


加護さんは2人組ユニット「W(ダブルユー)」を結成して活躍中だったが、謹慎は現在も続いており、復帰のめどは立っていない。

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